第18回 全日本八郎潟野鯉・鮒釣り大会模様
東北支部・笠岡 庸志 

 東の水郷、西の琵琶湖の大会と並んで、鯉師が注目する東北の雄、秋田・八郎湖の大会が9月15日〜16日実施されました。
過去において118cm、116cmの日本記録と称される巨鯉が、奇しくも9月の第3日曜日に釣り上げられたという縁起から、毎年おなじ曜日に開催されています。年年によって気象条件等が異なるのは止むを得ないことで、今年は猛暑の影響が尾を引き、減水と水温上昇に加えアオコの大発生、水質悪化等々鯉釣り師の意気込みをくじくような釣り環境でした。

「男鹿半島と八郎潟東部承水路・調整池」 map fan Web参照

参加者は野鯉の部184名、鮒の部25名、計209名。
年毎に数が僅かながら少なくなってきていろ感じがします。年に一度の旧友との再会や新しい友と知り合うのは楽しいものですが、顔なじみの姿が見えない時は寂しいものです。
参加者の大半はやはり地元秋田県勢、次いで青森、岩手、山形、宮城の隣県勢、福島、新潟の近県勢、埼玉、群馬の関東勢、さらに遠く長野、神奈川県からの遠征組。

淡水研からは大田会員、阿部会員、そして笠岡の3名。毎年常連となっている小名木会員は参加の噂は聞いたのですが会えませんでした。
さて、釣果成績ですが、フライングを含めてあまり良い釣果ではなかったようです。
時折強く降る雨の審査会場に持ち込まれ計量されたのは例年より少ない15尾。

優勝鯉は埼玉県所沢市大館さんの93.4cm.
90台は5尾。10位は88cmでした。

競技開始の15日朝からは蒸し暑さが残り、夜になって前線の南下に伴う雨が降り出したのを機にアタリが出始め、その雨の中での釣果が多かったようです。
淡水研会員は計量に持ち込むほどの型を見ず、敗退。(ちなみに笠岡の頭は84cm)

今大会ではボイリーを自作使用する人がそれなりにいたようですが、八郎湖の鯉には見向きもされなかったとボヤク声も聞かれ、従来のだんごに切り替えてしまったようです。
また、八郎湖ではわかさぎ餌がブームになりつつあり、毎朝、わかさぎ漁の漁船が戻るのを待つ鯉師がみうけられます。一方、タニシは遠征釣り師が使うことがあっても成果は少なく、定着には程遠い感じがします。巨鯉続出で全国に名を馳せた八郎湖。昨今は衰退の印象を否めません。
漁師の話では、巨鯉は岸に近寄らないだけで沖にはものすごい奴がウヨウヨしているとのこと。
腐りかかった水質が改良され、広く自由に回遊できる環境を取り戻すために釣り人としてなにをなすべきか、真剣に考え、良いと思われることは小さなことでも地道な努力を重ねることが大事だと考えさせられた大会でした。

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