あの人にインタビュー


 インタビュー 会報担当 遠藤 和彦





 埼玉支部 向井 勝志


17年度秋季大会で3位入賞、そして前回のH18年春季大会では惜しくもあと2mmの差で2位と最近の活躍が著しい向井会員のマイフィッシングスタイルを常陸利根川から紹介します。午前11時から2時間余りのインタビュー中にもコイ80cm前後3本の釣果、ソウギョは当たったものの惜しくもヌケ。前日の7:30AMから当日2:00PMの間にコイ14本。ほんとに良く釣っていました。

 

1.コイ釣りのはじまり

(1)   釣歴:子供の頃から父に連れられて、埼玉県深谷の地元で、クキ(ウグイ)をよく釣っていた。先祖代々、釣りとか鉄砲の好きな家系で、特に自分は釣りバカと言われたひいじいちゃんの血を引いているのかもしれない。

(2)   特にコイ釣りに傾倒したのは23・24歳の頃で、まだ8〜9年である。淡水研には福田副会長の紹介で入会して、1年10ヶ月あまり。

2.近況

(1)   通常は荒川の川本(熊谷の上流)で釣りをしている。

(2)   遠征:5月から月1回のペースで釣行している。それ以外は地元で深谷の釣り仲間と。遠征に来たら、魚釣りに来ているのだから1匹は釣ろう。餌付けじゃないんですよ、と。今年は遠征の都度、釣れている。デコッタのはほとんどない。

タックル

(1)   サオ:野鯉5.4m x 6本

(2)   リール:シーラインZW 糸巻き量:200m スプールを大きくしておくと糸巻きスピードが速い。

(3)   ミチイト:ナイロン#8、4月と10月の年2回交換。釣行の度に頭3〜5m位切っていく。

(4)   シカケ:サルカン無し、ワイヤースナップのみ。ハリは1本針か2本針

(5)   オモリ:30〜40号の自作。K II C(勝志の略)の刻印入り

(6)   ハリス:フロロカーボン#8。チチワの部分はシリコンチューブで保護。コイを掛けたら絶対釣り上げたいから、シカケが傷んで切れることのないようハリスは毎回付け替える。

(7)   ハリ:ささめ#17または#19、がまかつのデカゴイ、魁。ハリ先を研げば、ハリ先が錆びてくるから毎回取り替える。

 

4.ノウハウ公開

(1)   ポイント選定:通常、護岸が施されている所は平坦で変化が無い。タニシとかザリガニとかが住み着くアシ周りのポイントが好きである。そんなわけで息栖大橋から下流が多い。気に入ったポイントは、携帯電話で写真を撮り、メモしておく。

(2)   キーワードは、アシ、そして変化

(3)   大会でも通常と同じやり方で釣る。自分のやり方をやっていてデカイのが近くに絶対来ているのはわかっている。70〜80cmを釣ったときはその後ろにいるデカイのが食ってくれればいいと思う。だからタニシだけでなくネリの寄せエサも撒く。

(4)   エサ:自作の初ボイリー、初アタリでコイ88cm。エサは何でも試すほう。当初手探り状態だったので、いろいろ試してみた。マルキューのエサは全種買いあさった。そして最後にこれだ!というものがある程度見えてきて、荒川、利根川で実績が出た。当たって、またやったらまた当たった。安心して待てる自信エサにたどりついた。しかし、材料はスーパーで買えるようなものばかりである。

(5)   寄せエサは、市販のエサもしくはタニシ。寄せエサをして回遊しているコイのコースを外させる。ブッチャケ、悪い場所でも寄せちゃえば釣れるのかも?

(6)   地元ではダンゴで釣る。(パン粉をメインにキナコ+市販エサ)

(7)   エサの打ち方は、寄せエサを撒いたエリアの縁の辺りに食わせエサを置く。もしダメなら寄せエサの中央に食わせエサを置く、などいろいろと工夫をしてみる、変化をつけてみる。それでもダメなら食わせエサを50cm手前にずらす、等々。

(8)   天候:風は向かい風がベスト?うーん、月1回の釣行では考えている余裕はないけど風には特別こだわってはいない。ただ向かい風だとゴミとかが岸に寄って来て、食べられる物も寄って来る、だからコイも寄ってくる。特にアシのところには全てが寄りやすい。

(9)   忙しくてタニシ採りも当日朝。何箇所か場所を持っている。1回の釣行でバケツ1杯、1時間毎に1投。タニシは1日1回交換。タニシにはナマズは100%当たらない。タニシでアメリカナマズは、まだ1度も釣ったことがない。ゆっくり寝れる。休める。

(10)  周りが騒がしくなったときは、場所替えをする。

(11)  4月にセンサー全ての電池交換

(12)  口切れしないように引いたらミチイトを出してやる。沖へ出してまた寄せればいい。

(13)  手前に杭があるときは、少しテンションをかけて頭の方向を変えてやる。

(14)  利根大堰とか常陸利根でもジェットスキーなどの音にはコイは慣れているのかも。通過後にアタルことが多い。たぶん、岸のアシとか障害物に隠れようと逃げ込んでくる、そのときにエサに気がついて食ってくる。

 

5.私のこだわり

(1)   サオを入れたら、極力サオには近づかない。人の気配をなくすこと。物音もよくない。エサつけ等の作業も離れて行う。アタリのあった時とエサ交換の時のみ川面に姿を現す。

(2)   魚の大きさにはこだわらない。釣れたらOK。小さくてもコイはコイで大事にする。たまたま大きいのがかかれば儲けもの。

(3)   オモリからサオ先までを一直線にピンと張らず、ダラーンとしておく。もしくはハリスを長くする。コイにとって、テンションの効いたミチイトに触れたとき、違和感を感じるはず。テンションを緩めておけば、コイは水中の藻や枝に触れたくらいにしか感じないはず。

6.その他・雑感

(1)   仕事が忙しく、月に1度しか遠征に来られないので、ポイント選びは静かなところ、人の居ないところ。ひとりでぽつーんと釣れるところでのんびりしたい。それで釣果が出ればなおいい。

(2)   1級ポイントは好きではない。サオの放列も好きではない。静かな所がいい。

(3)   川面を見ているのが好き。特に夜の川面はよく見る。

(4)   地元で師匠といわれる人が、ミチイト・ハリス・サルカン等全てが小さく、それでいて仲間ではダントツに釣果が多い。この人の影響を受けている。

(5)   釣るまでのプロセスが好き。シカケを作りながら考える。頭の中でシミュレーションして、その通りになるのがいい。釣果がNGなら、なぜ?と考える。

(6)   ボウズだった時はポイント、ハリのつけ方、あと1時間待っていれば?など、いろいろと考えてみる。

(7)   よく他人の話を聞く。相手を否定しない。バスマンから教わることも多い。結構他の釣りも否定はしない。ポイントの選び方、シカケも参考になる。いろいろな情報を持っている。使える情報は使う。

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